このサイトについて
目 次
趣意書
2006年11月
今、日本の精神科医療保健福祉は、大きな節目をむかえています。
2005年7月15日、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(以下、「医療観察法」)が施行されました。“再犯の予測が可能なのか?”という、法の根幹に関わる議論をあいまいにしたまま、国会での強行採決の末「医療観察法」は成立し、多くの問題を抱えながら見切り発車したのです。
21世紀の日本の精神科医療保健福祉はどこに向かって進もうとしているのでしょう。
施行から1年あまりが経過し、以前から危惧されていたさまざまな問題は現実のものとなりました。施設の不備、制度の法的な不備、医療保障の不備。そして、何よりも強制医療であるにもかかわらず、その強制性を合理化する論理の不備があります。従来から指摘されていたずさんな起訴前鑑定、収監中の医療保障の問題なども、手付かずのまま残っています。 ところが「医療観察法」の問題性は一般的に知られておらず、法適用の現状の問題についても法務省・厚生労働省の秘密主義に阻まれて、関心を持つ人でも把握が難しい状況にあります。 そして、今後さらに多くの問題が新たに生起してくるでしょう。
精神科関連の予算はその多くが「医療観察法」に費やされ、地域における医療保健福祉の充実のための国の予算は、大幅に削減されました。 同じ時期に成立した障害者自立支援法による地域生活への影響に追い討ちをかけています。
「医療観察法」は、精神障害を持つ人たちに対する言われなき偏見を上塗りするばかりでなく、この法律の対象となってしまった人たちに対する新たな差別をも生み出します。しかし、実際に私たちが「医療観察法」の対象となった精神障害を持つ人に関わって、その現実から垣間見えるのは、起訴前鑑定など司法制度の不備であり、現在の精神科医療保健福祉の貧困であり、当事者や家族の社会的孤立であり、精神障害を持つ人が社会で普通に生きることの困難です。医療観察法の問題は、この法律だけではなく、現在の精神科医療保健福祉の総体が抱える問題に他なりません。このような現行の精神科医療保健福祉の問題も、きちんと見据えていくことが必要だと思います。
私たちは、医療観察法自体の問題、その運用の問題、「医療観察法」を通して見えてくる現代の精神科医療保健福祉の問題と、司法と精神医学の関係など、全体を見渡すことができる情報ホームページが必要と考え、2003新聞意見広告に寄せられた多くの人の志を引き継いで発展させていくために、医療観察法.NETを立ち上げることにしました。このサイトを通じて、当事者、家族、精神科医療従事者、司法関係者、精神保健福祉関係者、一般市民の皆さんとともに考えていきたいと思います。
呼びかけ人一同
有我譲慶(看護師/全国精労協政策委員)・有本 進(精神科医)・池田直樹(弁護士/大阪アドボカシー法律事務所)・池原毅和(弁護士/東京アドヴォカシー法律事務所)・位田 浩(弁護士)・伊藤哲寛(精神科医)・稲垣俊雄(精神科医)・大賀達雄(目黒精神保健を考える会)・大久保圭策(精神科医)・大杉光子(弁護士)・大野素子(家族)・岡田靖雄(精神科医)・尾関英明(作業療法士)・郭 春生(看護師/大阪新希望の会)・ 加藤真紀子(こらーる・たいとう)・川瀬典夫(精神科医)・上坂紗絵子(大阪精神医療人権センター)・小林信子(東京精神医療人権センター)・里見和夫(弁護士/大阪精神医療人権センター)・佐能美弥子(アロマセラピスト/ACT−K)・関口龍眼(心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな! ネットワーク代表)・高木俊介(精神科医/たかぎクリニック)・田野島隆(精神科医)・塚本正治(大阪精神障害者連絡会-愛称・ぼちぼちクラブ)・遠嶋哲吏(精神保健福祉士)・中島 直(精神科医)・中田政義(弁護士)・中山隆嗣(精神科医)・七瀬タロウ(精神医療ユーザー)・南さやか(精神保健福祉士)・宮田牧子(作業療法士)・山口博之(大阪精神障害者連絡会-愛称・ぼちぼちクラブ)・山本深雪(大阪精神医療人権センター)・八尋光秀(弁護士)・由良真木子(保健師/精神保健福祉士)・吉池毅志(精神保健福祉士)・李まり子(精神保健福祉士)・渡邊哲雄(精神科医)
医療観察法.NETについて
2008年5月1日
私たちは、医療観察法自体とその運用実態を批判的に検討し続けることが必要と考え、医療観察法に関する情報と、広汎な意見・議論を集めた情報を発信し、誰でもがアクセスできる場として、このサイトを立ち上げました。
当ホームページでは、
1.医療観察法の現状
2.問題点の整理
3.実態の検証
についての情報を提供し、不幸にも法に触れるに至った精神障害を持つ人にとって、本当に必要な精神科医療と司法のあり方について考えていきます。
2010年は医療観察法の見直しが行われます。上記の三点を整理して、議論の材料を提言できればと考えています。
以下、制作委員会です。
編集 | 足立修一 | 弁護士 |
---|---|---|
有我譲慶 | 看護師 | |
伊藤哲寛 | 精神科医 | |
池田直樹 | 弁護士 | |
池原毅和 | 弁護士 | |
位田浩 | 弁護士 | |
大久保圭策 | 精神科医 | |
大杉光子 | 弁護士 | |
大野素子 | 精神科ユーザー家族 | |
里見和夫 | 弁護士 | |
関口龍眼 | 精神障害者当事者 | |
高木俊介 | 精神科医 | |
中島直 | 精神科医 | |
山本深雪 | 精神障害者当事者 | |
吉池毅志 | 精神保健福祉士 | |
渡辺哲雄 | 精神科医 | |
広報 | 南さやか | 精神保健福祉士 |
宮田牧子 | 作業療法士 | |
李まり子 | 精神保健福祉士 |
当ホームページ制作にあたり、医療観察法制定前の2003年に出された毎日新聞意見広告「閉じ込めないで!もうこれ以上」(医療観察法案反対意見広告を出す会)に寄せられたカンパから資金の提供を受けました。
今後のホームページ維持運営の必要経費は皆さまから寄せられた賛同金で運営していく予定です。当ホームページは皆さまのご支援・ご協力で運営されていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
連絡先 医療観察法ホームページ制作委員会
E-mail:iryou@kansatuhou.net
注:迷惑メール防止のため、メールアドレス中@は 全角に変更して掲載しています。コピーしてメールを送る時は@を半角英数に置き換えて下さい
URL:http://www.kansatuhou.net
医療観察法.NETの賛同金を募ります
2008年5月1日
当ホームページの維持運営のために、広く賛同金を募ります。(一口500円からとなっております)賛同金は下記口座にお振込みください。
■ 賛同金振込み先
・郵便振替あるいはジャパンネット銀行のどちらでも結構です
・賛同金:一口500円(何口でも結構です)
□ 郵便振替口座
・口座:番号
00970−8−79012
・医療観察法.NET(いりょうかんさつほう どっと ねっと)
□ ジャパンネット銀行口座
・店番号:001 本店営業部 :口座番号:6887972
・李 まり子(リ マリジャ)
※振込み料受取人負担の振込用紙を希望される方は、送り先住所・必要枚数を当サイトのメールアドレスにお知らせ頂ければ、郵送いたします。
※領収書が必要な方は当サイトのメールアドレスに住所・領収書宛名をご連絡くだされば、ご入金を確認しだい郵送いたします。
メールマガジンの発行について
ホームページ更新情報や医療観察法関連の新着情報、お寄せいただいたご意見などを掲載したメールマガジン(不定期刊)の発行を予定しています。メールマガジンの配信を希望される場合は、トップページの専用フォームからご登録ください。アドレスの変更、登録解除なども同じフォームからおこなうことが出来ます。
医療観察法と精神科保健医療福祉、そして当医療観察法.NETへのご意見などをiryou@kansatuhou.netにお寄せ下さい。なお、いただいたご意見やご質問を、断りなくメールマガジンや当サイトに掲載することはありません。
医療観察法.NET 会計報告
2008年6月〜2009年6月まで |
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収入 |
繰越金 |
54937円 |
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賛同会費 |
715500円 |
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利息 |
315円 |
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収入計 |
770752円 |
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支出 |
HP更新人件費 |
88328円 |
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HP設備費 |
15130円 |
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HP管理料 |
23870円 |
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行事費(会議・座談会など) |
270348円 |
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振込み手数料 |
240円 |
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支出計 |
397916円 |
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収支差額 |
372836円 |
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<2006年10月〜現在まで> |
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収入合計 | 1734055円 |
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支出合計 | 1361219円 |
||
収支差額合計 | 372836円 |